日本酒とは、米と米麹を用いて造る日本古来よりある米のお酒。

その歴史は奈良時代以前にまで遡ります。

現在の兵庫県辺りの地域のことを書いた『播磨国風土記』には、カビを用いた酒造りに関する記述が見られ、これが麹に関する日本で始めての記述と言われています。奈良時代の都には、御酒司という役場があり、ここでは日本酒の原型となる酒が仕込まれ、朝廷に献上されていました。

現在、日本酒は大きく2つに分けられ、普通酒と特定名称酒があります。

特定名称酒は、現在では馴染みのある本醸造酒や純米酒、吟醸酒など、細かい決まりに沿って造られたもの。普通酒はそれ以外のものです。

特定名称酒は、平成元年(1989年)に定められ、全部で8種類の酒があります。

基本は、本醸造酒、純米酒、吟醸酒の3つ、これらに「大」や「特別」など表記を組み合わせたものとなります。

この8種類の日本酒も①アルコールを添加するか否か、②低温発酵を特徴とする吟醸造りをするか否かの2点を見ることで非常に把握しやすくなります。

※精米歩合(お米を削った残りの割合を表す)やその他も分類項目があるのですが、難しくなりすぎるため、この記事では省きます。

アルコールを添加する日本酒

本醸造酒、特別本醸造酒、吟醸酒、大吟醸酒の4つは、醸造アルコールを添加して造る酒です。

アルコール添加は、酒の味を軽くし風味を引き立たせるために用いられます。そして、吟醸とつく酒は、通常の発酵温度より低い温度で長期間じっくり発酵させた酒で、淡麗で香りの良い酒になります。

アルコールを添加していない日本酒

純米酒、特別純米酒、純米吟醸酒、純米大吟醸酒の4つは、醸造アルコールを添加せずに造る酒です。これらの酒には、「純米」という表記が冠せられます。吟醸とつく酒に関しては、前述と同じなので説明を省きます。

終わりに

今回説明した8種類の特定名称酒は、味の優劣を表すわけではなく、それぞれの目的に合わせた酒造りを表すものです。吟醸酒のような華やかな香りが好きな方がいる一方、そうでない方がいるように、日本酒を飲む人たちの好みに合わせた見分けをするためのものと考えて、楽しんで頂ければと思います。